おむつを替えるたびに、うんちの色が「これでいいのか」と気になったことはありませんか。赤ちゃんのうんちは大人と違って色の幅が広く、日によって変わるため、初めてだと判断に迷いがちです。実は日本では、うんちの色を確認する仕組みが母子健康手帳にすでに組み込まれています。この記事では、その仕組みと、正常範囲・注意すべき色・おしっこの見方を整理します。
母子健康手帳の「便色カード」とは
母子健康手帳には、1〜7番の色見本が並んだ「便色カード」というカードが綴じ込まれています。生後2週間・1か月・1〜4か月ごろ(2か月頃の確認が推奨されています)に、赤ちゃんのうんちの色をこのカードと見比べて記録する仕組みです。
これは2012年4月から、胆道閉鎖症という病気を早期発見するために、厚生労働省令に基づいて全国の母子健康手帳に導入されました。胆道閉鎖症は、肝臓と腸をつなぐ胆管がふさがってしまう病気で、およそ1万人に1人の赤ちゃんに起こるとされています。治療が早いほど経過が良いとされるため、色というシンプルな指標でいち早く気づけるようにする仕組みです。
カードの1〜3番に近い色(白っぽい・薄いクリーム色・灰白色)に当てはまる場合は、健診を待たずに早めに小児科へ相談することが推奨されています。カード自体は母子健康手帳に綴じ込まれているので、色に迷ったときは手元のカードと見比べるのが一番確実です。
うんちの正常な色の範囲
赤ちゃんのうんちは、生まれてから食べるものが変わるにつれて色も変化します。
- 生後数日(胎便):黒緑色〜黒色のねっとりした便。生まれてすぐの正常な状態です
- 母乳中心:黄色〜からし色。やや水っぽく、つぶつぶが混じることもあります
- ミルク中心:黄色〜黄土色。母乳のときよりやや固めで、においも変わります
- 離乳食が進んだ後:食べたものの色がそのまま出ることがあります(にんじん・ほうれん草など)。これは消化管を通過しただけで、心配のいらないケースがほとんどです
このように「黄色〜黄土色〜茶色」の範囲であれば、多少の濃淡があっても正常範囲と考えられています。
注意が必要な色
次のような色が続く、またはいつもと明らかに違うと感じるときは、便色カードと見比べたうえで、早めに小児科に相談してください。
- 白っぽい・灰白色・薄いクリーム色:便色カード1〜3番に近い色。胆道閉鎖症など、胆汁がうまく腸に流れていないサインの可能性があります
- 黒い・タール状(生後数日の胎便を除く):消化管の上部からの出血が疑われることがあります
- 赤い・血が筋状に混じる:肛門付近の切れ(切れ痔)のこともありますが、量が多い・繰り返す場合は受診の対象です
- 白っぽい粘液だけが出る:便自体が少なく心配なときも、色と量をあわせて伝えると判断の助けになります
色は写真に撮っておくと、実際の診察時に見せやすく、記憶だけに頼らずに伝えられます。
おしっこの色の見方
おしっこについても、色でいくつかの目安があります。
- 通常時:うすい黄色〜無色に近い黄色
- 生後数日にオレンジ〜ピンクがかった色:新生児の尿に含まれる尿酸塩の結晶によるもので、多くは生後1週間ほどで自然に消えます。おむつにレンガ色の粉のような跡が付くこともありますが、水分摂取量が足りていれば心配ないことがほとんどです
- 色が濃い・回数が明らかに減っている:授乳量不足や脱水のサインのことがあります。機嫌や体重の増え方とあわせて確認し、心配なときは相談してください
記録しておくと伝えやすいこと
受診するときに役立つのは、「今日の1回」ではなく「いつからどう変わったか」という経過です。次のような点をメモしておくと、診察時に状況を正確に伝えられます。
- 色が変わった日、変わってからの日数
- 回数(1日あたりのうんち・おしっこの目安)
- 機嫌や食欲、体重の増え方に変化がないか
- 気になる便は写真を残しておく
迷ったら便色カードとかかりつけ医を頼る
色の判断に絶対的な正解はなく、赤ちゃんによって個人差もあります。目安から外れているように感じても、便色カードで確認し、心配なときは健診を待たずに小児科や自治体の相談窓口に相談してください。特に生後1〜2か月の間は、便色カードでの確認が推奨されている時期にあたります。
参考にした情報源
胆道閉鎖症と便色カードの制度的な背景は、国立成育医療研究センターとこども家庭庁が公開している情報を参考にしています(最終確認:2026年7月)。カードの色番号や具体的な使い方は、お手元の母子健康手帳の記載を優先してください。